Undisputed:Jerichoの2冊目の自伝
WWEデビューから離脱、そして復帰まで

前作に続き面白いジェリコの自伝

Undisputed: How to Become the World Champion in 1,372 Easy Stepsを2012年の終わりに読みました。

プロレスラーでありロック歌手であり俳優でもあるChris Jerichoの2冊目の自伝。WWE(当時はWWF)デビュー直前までを書いた1冊目A Lion’s Tale: Around the World in Spandexの続きで、デビューから2005年の離脱、2007年の復帰直前までを書いたのがこの本。

1冊目が素晴らしかったのでこの本も期待してましたが期待を超えて来ました。

特に印象に残ってることを挙げると:

  • デビュー後の苦悩
  • 初代統一王者への道のり
  • リングの外へ

と言ったところ。

デビュー後の苦悩

The Rockのプロモを遮るカタチで大プッシュされながらのWWE(当時はWWF)デビューから自身の周りへの態度やロッカールームの政治に惑わされて干されちゃう辺りは全く知らなかったので新鮮。

特に、権力のあるレスラーと付き合ってた下手な女性レスラーの抗争相手に抜擢されてそのレスラーを持ち上げる役を任された辺り。

その人は異常に筋肉のあるでかい女の人というだけで決して上手くはないレスラーで、前もって試合の詳細まで打ち合わせしないと試合ができないような人。

それを上手い人のように見せたのに本人からは感謝もされずに周りから評価もされないという状態がしばらく続きます。

初代統一王者への道のり

この本の副題”How to Become the World Champion in 1,372 Easy Steps“からもわかるようにレスラーとしてのデビューから1372試合目にWWE(当時はWWF)初代統一王者になります。

WWE移籍後の不遇の時代から王者になるまでのその過程は下手な自己啓発本より参考になるはずです。少なくともJerichoの本を読むくらい好きな人には響くはずです。

リングの外へ

最初の本は幼少期からWWE(当時はWWF)デビューまでで、プロレス関係の話がメインでしたが今回はそれだけではなく自身のバンド活動や俳優業、テレビのホストの経験等々プロレス以外のことも書いています。

プロレスで全てを成し遂げたJerichoが音楽や俳優業をゼロから始める辺りの話は最初こそあまり興味が湧きませんでしたが、プロレスで上に登る過程と共通してる物があったかなと。

少なくともそれまでの世界でどんなに成功してたとしても過去の栄光にすがっていると新天地での立場が危うくなることがあるということはよくわかりました。

それと同時に過去の栄光から離れるのが難しいということも。

その他

レッスルマニア19のShawn Michaels戦を見た時も感じたのですが、相手の良さを引き出すことと大一番でテンプレを崩すということはすごく大事だと改めて感じました。普段の生活でも応用できたらいいですしテンプレを崩すことに寛容な社会の方がいいと思います。

個人的にWWEの人の自伝は何冊か読むと同じ時期の話を違う面から見ることができるので面白いです。

それとJerichoの本はWWEを通して出している訳ではないので社長とのやり取りのエグさが他の本と比べて詳細に書かれています。

また、WWEを通さずに本を出してることの恩恵の一つはWWEではタブーになってしまったChris Benoitの無理心中事件にも触れられる点。

WWEから離脱していた2005年の夏から2007年の終わりの間にEddie GuerreroとChris Benoitが亡くなったのですがその2人との最後のやりとり(特にBenoitとの)も載っている数少ない本です。

最後はロンドン公演でのShawn MichaelsとJohn Cenaの1時間の試合を見て情熱を取り戻した後、練りに練った復帰の出番の直前で締めています。これは1冊目と同じような終わり方で、確実に3冊目が出るであろう終わり方になっています。

案の定2015年に3冊目が出て、運命のいたずらで本人直筆のサイン入りのものをもらったので近いうちに読みます。

内容はもちろんのこと使いたくなる言い回しや表現もかなりあって面白い本(個人的にWWEの人の自伝の中では一番)なのでWWEやプロレスに興味のない人にも読んでもらいたいです。

WWEにもプロレスにも興味がないのにこの本を読む人が普段何してるのかは気になります。

the rule of KISS: Keep It Simple Stupid