2011年10月、シュトゥットガルトでの話
2011年10月、ドイツのシュトゥットガルトの空港で寝ていたら警察に捕まってしまったという話。警察に求められたら身分証を提示する必要があるのですが知らなかったがために警察署で数時間過ごすことになったというお話です。
シュトゥットガルトへの週末旅行
当時スイスのチューリッヒでインターンをしていた頃、頻繁に周辺国に旅行に行っていました。
特にドイツは電車で安価に行けるので食料品を買いに毎週行っていた程。
10月末のある週末、特にすることもなかったのでドイツのシュトゥットガルトに日帰り旅行に行くことに決めました。
日帰りの予定だったので夕方には家路につくつもりだったのですが、歩いていたら楽しくなってしまい、その日中にチューリッヒに帰ることは諦めて夜通し歩くことにしました。
歩いていたら楽しくなってしまう 楽しくなってしまったため日帰りは諦めることに
ところが10月末はすでに寒い
ですが10月末にもなるももう既に寒くなっていて夜通し歩くのは無理があると実感しました。
当時はiPod Touchで野良WiFiに接続しながらの旅行をしていたのですが、周りに野良WiFiは見当たりませんでした。
今思えばバーやカフェでWiFiを使ってホステルでも予約すればいいものですが、当時はなぜかそんなことは考えず、電車が動いている間に空港に向かうことにしました。
シュトゥットガルト空港で1晩過ごす
そんなこんなでシュトゥットガルト空港(STR)に到着。翌朝6時頃まで睡眠をとった後、再びシュトゥットガルト市街へ向かいました。
Baden-Württemberg-Ticketという、ローカル線乗り放題の券が当時は€15くらいで買えたのでこれにお世話になりました。2020年1月現在、同チケットは€24するみたいです。
そして朝7時前、シュトゥットガルトに戻って来たのですが、まだ寒いし眠い。
ということでもう少し暖かくなるまで空港で寝ることに。
シュトゥットガルト空港に戻り再度眠るも…
カフェで休むとかアルコールの力を借りるとか今思うといろいろ他の選択肢もあったのですが、当時は空港で眠る以外の選択肢が思い浮かびませんでした。
空港に戻り11時頃にアラームが鳴るように設定して横になりました。
するとそのすぐ後、誰かに肩を叩かれます。
目を開けると警察が4人
目を開けると警察が4人立っています。
挨拶をすると「何時の飛行機に乗るんだ」と聞かれました。
「飛行機には乗らない」と答えると「パスポートを見せなさい」と言われます。
その時は、家を出る前にわざわざパスポートを自分の部屋の机の中に入れて来たのでパスポートは持っていませんでした。
スイスの身分証明書を見せるも効力を持たず
ただスイスの身分証明書を持っていたのでそれを見せました。
すると「パスポートはどこだ?!」と相手のトーンが変わり、自分としても「あれ、これはまずいのかな?」と思い始めるようになりました。
これは労働許可証も兼ねたスイスの身分証明書で、これを持っているということはスイスに合法に来ていることで、スイスもドイツもシェンゲン圏内なので移動は自由なはず、という説明をするも「国際的な身分証明書を見せろ!」と言われてしまいました。
スイスもシェンゲン圏内なのはその通りですが、EU加盟国ではないのでスイスの身分証明書は「国際的な身分証明書」ではないのですね。。。
一応カバンの中を探すふりをするも、前日家を出る前にパスポートを机の中に入れた記憶がしっかりあるので見つかるはずもありません。
あえなく警察署に連れて行かれることとなりました。
警察に囲まれながら徒歩で警察署へ
ドイツでパトカーに乗せられてしまうのかと思ったのですが、警察署は空港の近くにあったため完全に包囲されながら歩いて警察署に行くことになりました。
署に行き狭い部屋で待っていると先程の警察が3人程入って来て、下記の様な質問をされました:
・ドイツで何をしていたのか
・スイスでは何をしているのか
・ドイツにはいつ来たのか
・持ち物は何か
・カメラでは何の写真を撮ったのか
・パスポートはどこにあるのか
等々...
終始冷たい態度の人、何も言わない人、部屋と外の行き来を何度もする人の3人体制で取り調べのようなものを受けた後、パスポートを提示する必要があると再度言われました。
前日家を出る前にパスポートを机の中に入れた記憶がしっかりと残っていたので当時のフラットメイトに連絡を入れてパスポートのコピーをメールで送ってもらうことにしました。
20代前半の日曜の朝は遅い
朝8時頃、ドイツ人のフラットメイトに電話をしたのですが繋がりません。彼は23歳(当時)の修士課程の学生なので、日曜の8時になど起きてるはずがありません。
何度か電話したのですが繋がらなかったためSMSとメールを残して起きるのを待つことにしました。
その間にも冷たい警察からは「もう二度とドイツには入国できない」等々言われ続けました。
それからしばらくした後、フラットメイトから電話がかかって来ました。慌てた様子と野次馬的様子を感じたので「メールを送ったからその通りのことをしてくれ」とだけ伝えて電話を切りました。
警察署のパソコンから自分のメールアドレスにログインして待っていると数分もしないうちにパスポートのスキャンが送られて来ました。
コピーを提出して解放される
パスポートのコピーを提出後、しばらく待っているともう行っていいと声をかけられました。
数時間の拘束を経てやっと解放された瞬間でした。
また、再び別の警察に身分証の提出を求められた時のためと、パスポートのコピーも渡してくれました。
これがあれば怖くありません。警察署を出る頃にはすっかり暖かくなっていて、目も完全に覚めていたのでシュトゥットガルトを観光してチューリッヒに戻りました。
その後ドイツに40回程入国していますが警察に身分証の提示を求められたのはその時だけです。
ですが念のためパスポートのスキャンを取っておきスマホ等でいつでも見せられるようにしておきましょう。
ドイツの電車で少しだけ寝ようとしたらひどく寝過ごした話についてもいずれ書きます。