陸路で行くベラルーシ
~通過ビザをリトアニアで取った話~

ベラルーシ通過ビザをリトアニアで申請

2019年10月25日にベラルーシに陸路で行くことにしたのでその前に滞在したリトアニアのヴィリニュスで通過ビザ(トランジットビザ)を申請しました。短期滞在ビザにするか迷ったのですがバウチャーの取得にホステルの予約が必要となりそうだったので今回は通過ビザにしました。申請はとんとん拍子で進み翌日にはビザが発給されました。今回はビザの取得について書きます。

そもそもビザが必要な人とは?

駐日ベラルーシ共和国大使館のHP-ビザなしの30日間を見てみると:
 ・入出国のときミンスク国立空港内の税関で国境を越えること
 ・死亡保証金が€1万以上の海外旅行保険に入っていること
 (ミンスク国立空港で購入可)
 ・ロシアからの入国、ロシアへの出国ではないこと
を条件にビザなしで30日間の滞在ができるとのこと。

自分は陸路での入出国を企てていたのでビザが必要になりました。

ビザの種類

駐日ベラルーシ共和国大使館のHP-ビザの手続きを参考にすると:
①通過ビザ(トランジットビザ):最大2日まで滞在可
②短期滞在ビザ:最大30日まで滞在可
の二つが現実的な選択肢であると分かります。

通過ビザの良い点・悪い点

良い点:
書類の準備が比較的簡単
通過ビザの申請に必要な書類は下記の通りです:
申請書ビザの手続き – 駐日ベラルーシ共和国大使館からダウンロード)
・半年以内に撮った35mm x 45mmの証明写真
パスポート
ベラルーシ通過後に行く国のビザ*
 *ビザが必要ない国に行く場合はその国に行くことを証明するもの
 (電車の券等のコピーを提出)
海外旅行保険(大使館の近くの保険屋で加入可)
※参照: ビザの手続き – 駐日ベラルーシ共和国大使館

悪い点:
滞在できる期間が短い
「最大2日間」滞在可能ですが単純に48時間滞在できるという意味ではなく、入国の翌日から翌々日の日を跨ぐまでに国を出なければなりません。

極端な話1月1日の23:59に入国した場合は1月2日の23:59まで(24時間後)に出国しなければならず、1月2日の00:01に入国した場合は1月3日の23:59まで(48時間後)に出国すればいいということになります。

ベラルーシを「通過」する必要があることを示さなければならない
自分の場合は元々リトアニア→ベラルーシ→ウクライナに行くつもりだったので問題ありませんでしたが、リトアニア→ベラルーシ→ポーランドという旅程だと「ベラルーシを通過する必要がない」ためビザの取得ができないことがあるようです。

短期滞在ビザの良い点・悪い点

良い点:
通過ビザと比べて長い期間滞在が可能
短期滞在ビザの有効期間は90日で、そのうち最大30日間滞在できます

悪い点:
書類の準備が面倒臭そう
通過ビザ申請に必要な書類に加えて、ベラルーシでの滞在先から滞在証明書(バウチャー)を発行してもらう必要があります。

迷った結果、通過ビザを選択

迷ったのですが結局通過ビザを取得することにしました。事前にホステルを予約するストレスと、ホステルからバウチャーを送ってもらうまでにどれだけ時間がかかるのか読めないというリスクを避けるためです。

もう1つの問題:いつベラルーシを出るか

通過ビザの制約である「入国翌日から翌々日の日を跨ぐまでに出国する」というのがなかなか厄介で、在ベラルーシ日本大使館のHPを見ると過去に邦人のトラブルもあったようです。

不法滞在の罰金と空路での出国となるとどれだけの傷を懐とパスポートに残すことになるのか見当もつきません。

上記を踏まえていつ出国するかを慎重に検討した結果、入国当日の夜にミンスクを出発することにしました。

というのもそもそも都合よく日付が変わる前にベラルーシを出られるような電車などミンスク→キエフというルートを走っていないのでリスクを避けるとこの選択肢しかないのです。

ちなみに自分が乗った電車は22:40ミンスク発、ベラルーシとウクライナの国境を28:00頃に超えて朝8:00前にキエフ着というもの。夜にミンスクを出ようとするとこの電車しかないので入国当日の夜に出発するかリスクを冒して翌日の夜に出るかしかありません。

通過ビザで入国し当日の夜にミンスクを出てキエフに向かう、という方針が立ったのでようやくビザの申請です。

ヴィリニュスのベラルーシ大使館へ

ビザの申請をしに大使館(Google Maps)へ。ビザの申請は月~金の10:00~15:00の間可能ですが混むのでなるべく早く行った方が良いです。

という話をいろいろなところで聞いたので9:00前に到着して整理券を入手しました。ただこの段階で人だかりができていたのでもう少し早く行った方が良いかもしれません。

ただその分時間は十分あったので大使館の近くで保険の加入手続きを済ませます。

DAIGERAという保険屋に入ると綺麗なロシア系の女性が「席に座って待ちなさい」と冷たく迎え入れてくれました。それからしばらくの間、誰も何もしない不思議な時間が流れます。さすがになんで待たされているのかわからなくなったので尋ねたところ、ドアが開き別の女性が入って来ました。

どうやら遅刻していたこの人のことを待っていたようです。

€2.27という保険料を払い2日分の保険に加入。また、ヴィリニュス→ミンスクのバスの券、ミンスク→キエフの電車の券、パスポートのコピーも取ってもらいました。コピー代は各€0.15。

これで必要な書類がそろいました。

最初に到着してから2時間程経った頃に自分の整理券の番号が入口横のスクリーンに表示されたので大使館の中へ。外で待たせるスタイルの大使館なのですが寒くない時期なので幸いでした。

中で書類を提出すると、ビザの受取に必要な紙を渡され翌日の14:00~16:00の間に来るように言われました。書類の確認にかかった時間は5分程でしょうか。

翌日の15:30頃に再度大使館へ行き整理券を取得。今回はビザの受取だけだったので待ち時間はトータルで5分程でした。中へ入り無事にビザの取得ができました。

ビザの種類を選ぶのと滞在日数を決めるのに迷いましたがビザの準備自体は簡単でした。また、日本人は申請費が無料なので助かりました。

近隣諸国に寄った場合は通過ビザを取得してベラルーシを通過してみてはいかがでしょうか。

次回はミンスクについて書きます。